お城関係のブログ

私が訪れたお城について簡単に紹介します。

彦根城-破風と白壁の美しいお城

今日は、彦根城について説明します。

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まずは彦根城の歴史についてごく簡単に紹介します。


説明は関ヶ原の戦いから始まります。


現在彦根城がある場所近くに、佐和山という山があります。ここに佐和山城という4層4階の立派なお城がありました。豊臣時代の佐和山藩という藩の城で、城主は石田三成です。


関ヶ原の戦いでは、ここが東軍によって攻められ、陥落します。なお、天守は焼失していません。


陥落後の佐和山城は、徳川家康により井伊直政に与えられました。彼は徳川家康重臣で、関ヶ原の戦いでの武功として佐和山を与えられたのです。


井伊直政は、佐和山城に入城します。しかし、彼は佐和山城を与えられてすぐに病気で亡くなってしまいました。


二代が就任します。二代の頃になり、やはり西軍のお城を残しておくことは問題があるとの話が出できます。そこで、佐和山城は破却されてしまいます。


その代わりに、井伊家のお城として新たに作られたのが彦根城です。


金亀山(こんきやま)という小高い山を削り、その上に建てられました。そのため彦根城を金亀城とも言います。


井伊直政は初代彦根藩主とされますが、以上の通り、実際には彦根城に入ったことがありません。


さて、彦根城は1604年から急ピッチで作られました。その理由は、徳川方の西国の入り口にあたるお城として重視されたからです。周辺7つの大名を使い、天下普請として作ったと言いますから、徳川の彦根城にかける思いの大きさが窺えます。


それを象徴する話は次の通りです。彦根城は西を向いています。佐和山城は東を向いていました。

彦根城が西を向いているのは、もちろん西国を監視する趣旨です。一方、佐和山城が東を向いていたのは、東国を監視するためでした。両者は近い場所に建てられていますが、役割は全く違うのです。


最終的にお城が完成したのは1622年です。天守の建築にあたっては大津城天守の部材が使われました。


以上が創建に関する話です。


話が一気に飛んで明治にいきます。


明治時代、多くのお城が廃城となりました。彦根城も廃城とされ、櫓がどんどん解体されてゆきます。


そんな中、明治天皇滋賀県行幸に来て、解体作業中の彦根城を見ます。大隈重信も同行していました。


大隈重信は、解体作業のために梯子などがかけられている天守と、それを悲しそうに見る街の市民の様子を見て感銘を受けます。


そこで、近くにいた明治天皇に対して直接、彦根城の廃城をやめてほしいと頼み込みました。それによって解体は中止となり、彦根城天守は破却を免れたのです。


現在では、天守が国宝、城跡が特別史跡に指定されています。


以上が彦根城の歴史でした。


次に見所について簡単に説明します。


いろいろ書くことはありますが、ここでは、厳選して天守のみ説明します。

テーマは二つです。①彦根城の大きさについてと、②彦根城の白い壁についてです。


まずは①彦根城の大きさについてです。

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写真を見てください。屋根のような波波したものがたくさんついていますね。


こういう波波したものを破風(はふ)と言います。彦根城には合計18個の破風がついています。破風がこれでもかというくらい敷き詰められています。


また、近くでよく見ると壁が少しだけ内側に傾いています。


また、最上階には欄干がついています。これも大きく見せるための飾りです。実際にはベランダのようなところはなく、最上階から外に出ることはできません。


これらの効果で、彦根城は城下町からとても大きく見えます。


彦根城に登城してまず驚くのは、大きさのギャップでしょう。


街から見るより遥かに小さいです。井伊家は当時18万石でした。そこまで大きなお城は建てるべきではないと考えたのでしょう。


次に②彦根城の白い壁についてです。


もちろん白い壁は漆喰を塗っているからです。最近塗り直しています。


外からだと綺麗な壁にしか見えませんが、実は、この壁の内側つまり建物内部には狭間がたくさんつけられています。


狭間とは、鉄砲や弓を発射するための穴のことです。


つまり、平時は漆喰の壁に覆われて見えませんが、有事にはこの壁を破って中から鉄砲や弓で攻撃できるということです。


美しさを追求しつつも、実戦への備えは崩しません。素晴らしいお城ですね。


他にも見所は沢山ありますが、長々書いても仕方がないのでこれくらいにします。


日本の国宝天守は5つしかありません。その一つの彦根城、皆さんも是非いってみてください。


それでは。